「グリース」(Grease)は、1978年5月6日に発売されたフランキー・ヴァリのシングル。ソロとしてのフランキー・ヴァリの最大のヒット曲である。かねてよりフランキー・ヴァリに曲を書きたいと思っていた、同じくファルセットボイスを得意とするバリー・ギブが制作した楽曲で、同年の映画『グリース』のサウンドトラック・アルバムのオープニングとラスト(Reprise)に収録された作品である。
「グリース」は、オリビア・ニュートン=ジョンとジョン・トラボルタのデュエット曲「愛のデュエット」に続く、サウンドトラック・アルバムからの第2弾シングルとして発売され、ミリオンセラーとなった。
背景
映画プロデューサーでRSOレコードのロバート・スティグウッドから映画『グリース』の楽曲制作を依頼されたバリー・ギブ(ビージーズのメンバー)は、以前から親交があったフランキー・ヴァリが歌うことを想定して楽曲制作することを決めた。
ずっとヴァリに楽曲提供したいと考え、そのことをヴァリにも言い続けてきたギブは、これを機に改めてヴァリに声をかけ、自身制作の「グリース」と題する曲のデモテープを彼に送り、人気ミュージカルの『グリース』の映画版のサウンドトラックにするつもりだと伝えた。
ヴァリは、出来上がっていた映画を前もって試写していなかったが、ギブから渡されたそのデモテープを聴きながら、13年もブロードウェイで上演されている作品の映画化だから「何かしらいいものがあるはずだ」と思って引受けることを決めた。ギブがプロデュースしたレコーディングでは、ピーター・フランプトンがギターを演奏し、ヴァリのボーカルが吹き込まれた。
収録曲
レコーディング・ミュージシャン
- フランキー・ヴァリ – リード・ボーカル
- バリー・ギブ - バック・ボーカル
- スウィート・インスピレーションズ – バック・ボーカル
- ピーター・フランプトン – ギター
- ジョージ・テリー – ギター
- ハロルド・カワー (Harold Cowart) - ベース・ギター
- ロン・ジーグラー (Ron Ziegler) – ドラム
- カール・リチャードソン (Karl Richardson) – エンジニア
- ゲイリー・ブラウン (Gary Brown) – サックス
反響
フランキー・ヴァリの予想を上回る大成功を収めた映画興行により、サウンドトラックも12週にわたって全米1位となり、ヴァリのシングル「グリース」も全米チャートの1位を獲得して、ミリオンセラーのプラチナディスクとなった。
日本においては1978年8月1日にシングル「グリース」が発売されて、オリコン週間チャートで47位となった。
カバー・アーティスト
- バリー・ホワイト(1979年) - アルバム『Super Movie Themes』収録
- クレイグ・マクラクラン(1993年) - アルバム『Grease (Original London Cast)』収録
- ジョン・バロウマン(1995年) - アルバム『Songs from Grease (1994 London Studio Cast)』収録
- ビージーズ(1998年) - アルバム『One Night Only』収録。
- ガールズ・アラウド(2003年) - シングル「Jump」のB面。
脚注
注釈
出典
参考資料
- Greatest Hits (ライナーノーツ). フランキー・ヴァリ. Curb Records. 2 July 1996. 77714。 - 輸入盤
- 「グリース」オリジナル・サウンドトラック 2 (ライナーノーツ). フランキー・ヴァリ、オリビア・ニュートン=ジョン、ジョン・トラボルタ、ほか. ポリドール. 2 May 2002. UICY-3581。
- ヴェリー・ベスト・オブ・フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ (ライナーノーツ). フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ. ワーナーミュージック・ジャパン. 31 May 2017. WCR26211。
関連項目
- 愛すれど悲し
- サタデー・ナイト・フィーバー (サウンドトラック)
- フォー・シーズンズ
外部リンク
- グリース - Discogs (発売一覧) (英語)
- Grease - Geniusの歌詞ページ (英語)
- グリース - オールミュージック (英語)
- Bee Gees - Grease (Live in Las Vegas, 1997 - One Night Only) - YouTube




