『エレジー』 (Elegy) は、イングランドのロック・バンドのザ・ナイスの5作目のアルバム。解散後の1971年に発表された。
解説
経緯
カリスマ・レコードは、ザ・ナイスが解散した直後の1970年5月に前作『ファイヴ・ブリッジズ』を発表。引き続いて1971年4月に未発表音源を編集して本作を発表した。解散時のメンバーのうち、キース・エマーソンは編集に関与していない。
内容
計4曲の収録曲の内訳は、2曲が1969年12月19日と20日のフィルモア・イーストでのライブ録音、2曲が1969年夏のトライデント・スタジオでの録音。
ジャケットは前作と同じくヒプノシスによる。
ライブ録音
「夢を追って」の原曲はアメリカのシンガーのティム・ハーディンの'How Can We Hang On to a Dream'で、ザ・ナイスは3作目のアルバム『ジャズ クラシック/ロック=ナイス』でスタジオ録音版を発表した。「アメリカ」は、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の挿入歌を演奏だけでカバーした彼等の代表曲の一つで、1968年7月に2作目のシングルとして発表されて英米でヒットした。
「夢を追って」のスタジオ録音版には女性コーラス、「アメリカ」のシングルには当時在籍していたギタリストのデヴィッド・オリストが参加したが、本作にはエマーソンのキーボードを中心としたトリオ演奏が収録された。「夢を追って」の中間部の即興演奏に入る直前に、ベーシストのリー・ジャクソンがボウイング奏法を披露している。
スタジオ録音
「マイ・バック・ページズ」はボブ・ディランが1964年に発表したアルバム『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』に収録した曲。冒頭のボーカル部分はピアノ・トリオによるが、ジャクソンのボウイングの後、オルガン・トリオによるブルース演奏に移行し、その編成のまま最後のボーカル部分に入る。
「パセティーク」はチャイコフスキー作曲の交響曲第六番の第三楽章の改作で、前作『ファイヴ・ブリッジズ』ではシンフォニア・オブ・ロンドンと共演したライブ録音版が収録されたが、本作では彼等だけによるスタジオ録音版が収録された。
収録曲
- LP
- CD
- Elegy (CD)
- Elegy 『エレジー 2』
評価
全英アルバム・チャートで最高位5位を記録した。
参加ミュージシャン
- キース・エマーソン(Keith Emerson) – ピアノ、オルガン
- リー・ジャクソン(Lee Jackson) – ベース・ギター、ヴォーカル
- ブライアン・デヴィソン(Brian Davison) – ドラムス、パーカッション
脚注
注釈
出典
引用文献
- Hanson, Martyn (2014). Hang on to a Dream: The Story of the Nice. London: Foruli Classics. ISBN 978-1-905792-61-0
関連項目
- サイケデリック・ロック
- プログレッシブ・ロック
- エマーソン・レイク・アンド・パーマー
- レフュジー
外部リンク
- The Nice Appreciation Site
- Keith Emerson Web site

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